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壁面に施した絵を他の壁面やパネルに移し替える技法。
本来は古い壁画の保存のための技術ですが、ストラッポをすると独特の表面劣化がおこるため、現代ではそれをあえて表現として使うフレスコ作家もいます。
ストラッポ工程
壁に描いたフレスコ画
膠で寒冷紗を貼り、表面を剥がし取る。
表面が剥がされた後の壁はこんな状態。
下描きの層が見えます。
剥がした表面を、パネルや麻布にセメント(ボンドでも可)で貼り直し、寒冷紗はお湯で膠を溶かすことで除去します。
剥落などがあれば補彩をして完成。
がさついたような独特の劣化が見られます。
この作例では荒目にストラッポされていますが、元の絵に近い奇麗な状態で移し替えることももちろんできます。
左:ストラッポ前 右:ストラッポ後
(モバイル閲覧では↑ストラッポ前 ↓ストラッポ後)
こちらは比較的奇麗にストラッポできましたが、顔料が膠と反応して変色したり、剥落したりして、全体的に色が微妙に変わっています。
細かく見ると、ストラッポの際にひび割れが入ってしまった部分もあります。
温度・湿度・作品サイズなどの条件により、大失敗することもあります。
↓失敗例
ストラッポ直後
補彩後
これは作品を貼り直すためのセメントが少なかったことが原因です。穴だらけになってしまいました。
後に補彩をしましたが、傷などの凹凸は消えません。
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